アニマルコミュニケーションのご案内

2015-07-29

舞台『海辺のカフカ』

ある日、夢に藤木直人が出てきて、なんのこっちゃと思ってネットを見ていたら、近所のリンカンセンターで彼や宮沢りえが出演する村上春樹原作・蜷川幸雄演出の日本語の舞台があることを知り、面白そうなのでチケットを購入してみた。

リンカンセンターフェスティバルの一環。結構前方真ん中の席が取れた。


真ん中はナカタさんと猫たち


David H. Koch Theaterの天井


3時間、飽きることなく観られたし、藤木直人と宮沢りえの端正な容姿は美しかった。

しかし、何人かのセリフが聴き取りづらかった。明らかなる声量及び発声技術不足に思う。日本語なのにヒヤリングできない時は英語字幕を見上げるはめに。
舞台俳優とみられる方々のセリフははっきりと聴き取れた。なので会場や我々の耳の問題ではないと思う。

背景物が入った大きなアクリルボックスが黒子によって動かされて場面展開する演出や、音楽はよかった。ナカタさんや猫たちの演技もよかった。しかしストーリーは正直なんだかよくわからなかった…

ジョニーウォーカーが猫の魂を集めている場面や、女先生の子供の頃のナカタくんをぶっ叩き続けた話は吐き気がするし。(そりゃ人間の持つ生理とか業とか欲とか性質とかメタファーの表現だとは理解はするけれど)

言いたいことがあるのはわかる、メタファーなのもわかる、だがしかし「ちょっと待って、ちょっと考えさせて〜」と思っている間に話が進んでしまって、消化不良。原作読んでないから仕方ないのか。

隣の人は途中で眠っていたのにスタンディングオベーションしているのを見て、夫は納得がいかないようだった。

帰ってネットで調べると、謎が多くいろんな解釈ができる作品らしいので、一回舞台観たくらいじゃよくわからなくて普通なのかな、と思った(笑)


冴木さんの書いた"雷に打たれたことがある人々にインタビューした本"が売れなかった話のところで「人は結論がある話を聞きたがるのよ」みたいなセリフはなるほどな、と思った。

結論が出る話もあれば出ない話もあるし、出さなくていい話もあるものだ。