早い。
風太が生きていた日が、死んだ日さえも、遠のいていく。
◯日前はこんなに元気だったのに。
◯ヶ月前はこんな時がやってくるなんて想像もしていなかったのに。
15歳なんて。どうして16歳じゃないの?あと半年だったのに。
17歳までは生きると思ったのに。
“時間”や“数字”という概念が、なんだかうらめしかった。
5月10日、亡くなる3日前のことです。
私は久しぶりにハンバーグを作ろうと思い立ち、オーガニックのお肉を買ってきて、ねりねりしていました。
すると、
「もしかしてハンバーグ作ってる?」
風太がいそいそとキッチンをのぞきに来ました。
「ボクたちの分もある?」
2011.5.10
まだ火を通していない段階から、期待に満ちた行動をキッチン回りで繰り返していました。
「風太も食べたかった?ごめーん、でももう玉ねぎ入れちゃったよ。それにしてもまだねりねりしている生肉の時にわかるなんてさすがだね。鼻いいね〜。犬だから当たり前か?よっぽど好きなんだね。じゃあ週末にでも作ろうか!作ってあげよう。」
そう言った週末…風太はもういませんでした。
私は激しく激しく後悔しました。
どうしてあの日、風太の分も作ってあげなかったのだろう。
あんなに、あんなに欲しがったのに。
あんなふうにうろうろするのは珍しいのに。
あんなに食べたがってたのに!
それからは、スーパーでひき肉を見ると息苦しくなって、目をそらす日々でした。
今日、瞑想してハイヤーセルフにただつながって自分を解放するようにぼーっとしていました。もう、何も考えたくなくて。
すると、出番を待っている風太がみえました(笑)
むんっとした顔で。
風太とつながるようハイヤーセルフにお願いすると、風太がどんどん大きくなって、私に近づいてきて、私の中に完全に入ってきました。
一致した、と感じました。
私は生前から風太が愛しいあまり
「ああっ 風太になりたいっ 風太の中に入りたいっ 風太と一致したいなーっ」
と悶絶しとりました(笑)
…その願いが今、叶ったかのように、私と風太は一致していました。
私はうれしくて、ただ涙を流していました。
ばかばかしいレベルの話かも知れないけれど、風太にハンバーグを作ってあげなかったことを後悔していることを伝え、謝りました。
すると
『「お、ハンバーグかな?食べられるのかな?」とか考えたり、ワクワクしたり、想像したり、願ったり、期待したり、そういうことも“生きている”ということなんだよ』
と伝わってきました。
願いが叶うか、欲が満たされるかそうでないかより、その課程で感じること、考えること、味わうこと、が生きていることだ、と教えてくれたのでした。
また、「風太が別の肉体に生まれ変わったら、もう魂と交信することは難しくなる、と言われているけれども私はそれが嫌だ、そうなるのがこわい」とも伝えました。
すると
『いろんなことを言う人がいるかも知れないけれど、どんどん変わるんだ。生まれ変わっても、つながれるよ』
と伝わってきました。
今、いろんな人がいろんな説を唱えているけれど、人も魂も精神性が上がりどんどん進化している最中。
いろんなことが変わっていくし、まだ知られていないこともたくさんある。
魂は、つながれる。そう、なる。
そう教えてくれたと思いました。
私はそれを、風太の言ったことを信じます。
「琴とは、どうするの?」
と聞くと、風太は琴にしっかり近づきキスをしました。
『つながり、愛し、見守っている。そしてママたちは琴と多くの喜び、愛情、楽しみを与え合い、共に味わってほしい』
と告げてきました。
泣いている私のひざを、琴が前足でてしてしっと押してきました。
『ほら、今、生きている、ということだよ。今を、生きていることを大切にして』
そう風太は発すると、消えていきました。
ハイヤーセルフからは、
「時間も数字も肉体も、生きていく上では必要なことです。忌み嫌う必要はありません。」
と教えてもらいました。
そうかぁ、と思い、今日一日、生きました。
友達Eちゃんと、娘のMちゃん…Mちゃんももれなく私の友達なんですけど♡手作りの切り絵のカードを送ってくれました。
すっごく風太です!愛と思いやりがいっぱです!
EちゃんはNYで出会い、日本に帰ってからもずっとお付き合いがあり、風太と同じくらい長い縁です。
飲み会だなんだといっつも風太も参加させてもらって。
赤ん坊の頃のMちゃんと風太は互いに興味しんしんで、くっついてました。
Mちゃんは風太の眼球を見つめ、触ろうと小さな指をのばしました。
風太のごはんの時間には、ドッグフード一粒を片手に取り、ハイハイしていました。
風太はMちゃんのもこもこのおしりにのっかろうとチャンスをうかがっていました。
そうやってふたりでいつも笑わせてくれました。
そして今日もまた、親や従姉、友人たちがメールをくれて。
ありがとう。
みんなの思いやりがほんとに、うれしくて、うれしくて。