「風太は行ってないもん。風太はそばにいるもん。」
そう訴えて、悲痛な顔をしていました。
不安でしかたなく、混乱していました。
また、やってしまった。
人間は、言葉を使って、しゃべったり、書いたりして納得したり整理したりできてしまう。
それを横でじっと見つめている琴の気持ち、置いてきぼりにしてしまった。
琴も、家族なのに。
だいじなことは、家族で話し合わなくてはいけないのに。
風太の魂、そろそろ上に上がるかもね、琴ちゃん。
さみしいよね。
でも、それは風太にとってはいいことなんだそうよ。
私たちはみんなつながっていて、そのつながりは消えなくて、
さみしい時、困った時、風太はすぐに来てくれるらしいよ。
琴は、どう思う?
私はつらいけど、見送ってあげようかと思うの。
でも、琴がいやなら、まだいてもらおうか。
そんなふうに、話し合うべきでした。
琴の瞳の奥深くに、狂気さえ感じた時がありました。
これほどまでに、同居犬は胸を痛め、悲しむのだと、教わりました。
考えてみれば、私が旅行や買物や外食で出かけている間も、琴はいつも風太といっしょなのでした。
私は風太と15年半いっしょに暮らしたけれど、べったりいられたわけではない。
琴が風太と暮らした時間は7年だけれど、その7年間、ほとんどいっしょにいたのだ。
私が風太と離れていた時間も、風太といっしょにいたんだ。
私も日々、普通に食べて、笑って、歩いて、しゃべって、ってできているのだけど、まだ号泣してしまう。
風太から言われた、「琴の前では悲しい顔しないで」が、できない。
やっぱり、ぐるぐる、ぐちゃぐちゃです。
まぁこのまま、しばらくぐちゃぐちゃでフツーでしょ。
フフン
このあと楽しいおでかけレポートなどがつづきますよ。
フフフン
ほほう、そりゃたのしみですな
2009.10.16