しかし、うちの車にはガソリンがどうみても片道分くらいしかないことが判明。
マンハッタン内での日常生活ではあまり車を使わないので、ハリケーン前にガソリンを入れておくことなど、思いつきませんでした。(食べ物と飲み物の準備はぬかりなかったのに)
ハリケーン後はニューヨークもニュージャージーも停電箇所のスタンドはもちろん営業できないですし、営業できている所は長蛇の列。売り切れてしまっている所もあります。
ニュージャージー州の中の12のカウンティでは、混雑を減らすため、Odd-Even Gas Rationingという措置が取られることがわかりました。
これは、『車のナンバーの末尾が奇数の人は奇数日にのみに、偶数の人は偶数日のみにガソリンを入れることができる』という措置です。
幸い、土曜日は3日で、うちの車は奇数!
とにかく行く時間が決まっていたのでマンハッタンで並んでいる時間が取れないから、とりあえず出発して、現地で入れよう、ということになりました。
ニュージャージーに渡った途端、パークウェイのサービスエリアのガソリンスタンド待ちの車の列がどぉ〜ん、と料金所まで連なっています。
決してアクセルをふかすことなく、法定速度ぴったりでそぅろっと運転する夫。
一時間くらいで到着した目的地付近は停電しているらしく、信号が真っ暗〜〜〜
「ガソリンスタンド、やってるのか…?」と一瞬不安がよぎります。
でも、目的地は医療機関が集まっている所なので、「救急車両のためにも優先的にガソリンがあるはずだよね?!」と再び楽観的に考えて道を進みます。
目的地について、すぐ近くのスタンドが数軒並んでいる地帯へ行くと…たった一軒だけ営業していました。他はおそらく、停電か、売り切れでしょう。
エアコンの温度を下げ、ラジオを消し、なぜか息も潜め(笑)
ふと前の車のナンバーを見ると、末尾が偶数です。
「この人、こんなに並んで直前で“偶数だからだめだよーん”とか言われちゃうんじゃないの?!」と心配になりiPhoneで調べると、なんとOdd-Even Gas Rationingはこの日の正午から有効であると!
…ということは、午前中に急いで偶数の人も並んでの混雑か!!!
むぅ、余計混むわけだ…
ウェストチェスターに住む友達の知人は4時間並んでガソリンを入れたらしいので、「4時間並んでもガソリンって売り切れないものなのかー」と妙に感心していました。
そろりそろりと進んでいるうちに、
ポーン
…と不穏な音が車内に鳴り響きました。
「もう、ガソリン、なくなりますからね!私、言いましたからね!」
という、愛車からの発表です。
「ああ、ほんとに入れないと、マンハッタンに帰れない…
どうしよう…AAA(日本のJAFみたいの)来てくれるのかな…」
と、口には出さず心で思い。
一時間半ほどかかり、ようやくスタンドが見えてきました!
見えるLukoilはやってなくて
目指すはその向こうのShell
クイーンズあたりのスタンドでは、銃で脅して長蛇の列に横入りする人とか、横入りを注意されて実際銃をぶっ放した人などがいたらしいので、スタンドには警察が張り付いています。アメリカだねぇ〜
やっとShellに入らんとするところで、ある警察官が指をさして車をカウントし始めました。
うちは「TWO!! (ビシッ)」だったかと思います。
「あと何台並んでいるか数えるのかなぁ…」なんて私は思っていました。
夫が警官に「着いてよかったよ〜、もうこの車にほとんどガソリンがないんだよ〜☆」と話しかけると、
「このスタンドもだよ!もうガソリン、なくなるんだよ!君らは最後の十台さ♡」と言われました。
ひ、ひえー、ぎりぎり!!!
11台目の人、かわいそすぎる!
この日は一台きっちり50ドル分のみの供給だったようです。
我が家の車は、腹八分目くらいになりました。
あたちもハラハラしたわ
ほんとにスリリングでした。
これを学びとし、常にガソリンは入れておき、特にハリケーン前はきちんと補充しようと思います。勉強になりました!感謝です。
今日の報道では、船でようやくガソリンが到着し始めているようです。
ウェブサイトでどこのスタンドがやっているか確認できるみたいです。